第7班 大 戦後 小説
公開日: 06.11.2022

坂上 泉(さかがみ・いずみ) 年、兵庫県生まれ。東京大学文学部日本史学研究室で近代史を専攻。年、「明治大阪へぼ侍 西南戦役遊撃壮兵実記」で第26回松本清張賞を受賞。同作を改題したデビュー作『へぼ侍』で第9回日本歴史時代作家協会賞新人賞を受賞。第2作『インビジブル』は第回直木賞候補にも選ばれ、同作で第23回大藪春彦賞と第74回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞した。. 文壇の長老となった 谷崎潤一郎 は『 鍵 』( 年 (昭和31年))、『 瘋癲老人日記 』( 年 (昭和37年))を、 室生犀星 は『 杏っ子 』( 年 (昭和31年))を、 川端康成 は『 眠れる美女 』( 年 (昭和36年))、『 古都 』( 年 (昭和37年))を、 井伏鱒二 は『 黒い雨 』( 年 (昭和41年))を発表し存在感を示した。 野上弥生子 も 年 (昭和60年)に 死去 するまで永く活躍した。. 翻訳文学は、明治10年代( 年 ( 明治 10年) - 年 (明治19年))になってさかんに西欧の文学作品が移入され広まった。代表作は 川島忠之助 が翻訳した ヴェルヌ の『 八十日間世界一周 』( 年 (明治11年))、 坪内逍遥 が シェイクスピア の戯曲『 ジュリアス・シーザー 』を翻訳した『自由太刀余波鋭鋒』( 年 (明治17年))である。.
戦後史を物語として描く上で欠かすことができない存在が前述の左翼学生運動、そしてその対極の公安警察だ。左翼運動わけても学生運動の台頭を、敗戦国日本の治安機関がいかにして取り締まるかと迫られた結果、戦前来の特高警察の流れをくむ彼ら公安がいかなる手段に打って出たかは今もって謎が多い。そんな公安警察に焦点を当てた作品としては、佐々木譲 『 警官の血 』 (新潮社、年)の第二部がそれにあたる。ある警官一家の初代は敗戦直後のある火事の晩に不審な死を遂げ、その息子が公安警察として学生運動家たちに潜入する過程で心を蝕まれていくさまは、彼とその息子の世代にまで引き継がれることとなる。一方、月村了衛 『 東京輪舞 』 (小学館、年)は、田中角栄の警備をしていた警官が公安畑を歩む中で、ロッキード事件や東芝ココム事件など昭和から平成にかけての公安警備事件の深淵を覗く話だ。.
これに対し、自由・民主主義の空気を背景に、「 白樺 」で活動した 白樺派 の人々は、人道主義を主張した。『 お目出たき人 』( ダウンタウン理不尽シリーズ 芸人クイズグランプリ (明治44年))『 友情 』( 年 ( 大正 8年))の 武者小路実篤 や、『 和解 』、『 城の崎にて 』(ともに 年 (大正6年))の 志賀直哉 、『 或る女 』( 年 (大正8年))の 有島武郎 、『 多情仏心 』( 年 (大正11年))の 里見弴 らである。特に志賀直哉の 私小説 ・ 心境小説 は 純文学 の規範として同時代の若い小説家たちに多大な影響を与えた。.
その一方で、 火野葦平 や 林房雄 、 尾崎士郎 、更には 菊池寛 や 武者小路実篤 、 岸田国士 、 徳富蘇峰 など多くの文学者・文壇関係者が、戦時下での戦争協力を理由に、 公職追放 指定を受けることとなった。. ほしい本に追加 夜と霧 新版 ヴィクトール・E・フランクル池田香代子. カテゴリ : 19世紀日本の文学 20世紀日本の文学 日本文学 日本文学史 文学運動 モダニズム 戦前日本の文学 戦後日本の文学 近代文学 現代文学 現代史. 戦後になると女性小説家の活躍も目立つようになり、『 迷路 』( 年 (昭和11年) - 年 (昭和31年))や『 秀吉と利休 』( 年 (昭和37年))の 野上弥生子 、『 おはん 』( 年 (昭和22年))の 宇野千代 、『 浮雲 』( 年 (昭和24年))の 林芙美子 、『私の東京地図』( 年 (昭和21年))の 佐多稲子 、『 女坂 』( 年 (昭和24年))の 円地文子 、 平林たい子 、『 流れる 』( 年 (昭和30年))の 幸田文 、『 紀ノ川 』( 年 (昭和34年))の 有吉佐和子 、 曾野綾子 、 瀬戸内晴美 らが筆を揮った。.
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カテゴリ : 19世紀日本の文学 20世紀日本の文学 日本文学 日本文学史 文学運動 モダニズム 戦前日本の文学 戦後日本の文学 近代文学 現代文学 現代史.
- ロマン主義のうち、短歌では 与謝野鉄幹 が「 明星 」を創刊、 与謝野晶子 は『 みだれ髪 』( 年 (明治34年))を発表した。この一派であった 石川啄木 、 窪田空穂 も活躍を見せたが、特に啄木は 自然主義 に転じ『 一握の砂 』( 年 (明治43年))と『 悲しき玩具 』( 年 (明治45年))を刊行した。また啄木同様に 自然主義 の影響下に、 若山牧水 の『別離』( 年 (明治43年))や 土岐哀果 の『NAKIWARAI』( 年 (明治43年))なども生まれた。 竹柏会 を主催した 佐佐木信綱 は、「 心の花 」を創刊。 正岡子規 は『 歌よみに与ふる書 』( 年 (明治31年))を発表し 根岸短歌会 を開き、 伊藤左千夫 、 長塚節 らが参加した。 北原白秋 、 吉井勇 らは パンの会 を起こし、 耽美派 に繋がる歌を読んだ。. 大衆小説 は、明治期に 尾崎紅葉 の『 金色夜叉 』( 年 (明治30年))などの風俗小説が発展し、 村上浪六 、 塚原渋柿園 の髷物(撥鬢物)、 押川春浪 の冒険小説など通俗的な小説が書かれ、その先駆となった。.
- また、 日本 に在住する 朝鮮語 を 母語 とする人たちが 日本語 で創作する 在日朝鮮人文学 の流れが生まれた。 金達寿 が先駆的な存在であり、その後 金石範 、 李恢成 と続いた。.
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夜と霧 新版. テーマ内容 文字. ブックの新規作成 PDF 形式でダウンロード 印刷用バージョン. 戦争の傷跡が深かった時期を脱却すると、55年体制に基づく政治的安定も訪れ、高度経済成長が到来する。「三丁目の夕日」的な世界観もこの時代を基盤とする。その象徴として東京五輪は多くの作品の題材となったが、単純な「神話」に冷水をかけた意欲作が奥田英朗 『 オリンピックの身代金 』 ビックバン タプテソ 『 悪の五輪 』 (講談社、年)は、その矛盾に塗れた巨大な五輪利権に食らいつくヤクザが主人公だ。記録映画の監督から黒澤明が降板した史実を出発点に、自らの息が掛かった監督を後任にねじ込むべく、実在の映画人や政財界の大物を巻き込んでいくなかで、大きな「物語」が人を魅せる力に主人公自身も溺れていく。恐ろしいことに、前回の五輪の裏にあった理不尽さや、五輪の持つ魅力に囚われた人々の狂騒は、我々がこの数年来ニュースとして目撃したものと酷似している。あの五輪の魅力が未だこの国から消え失せないのも道理かもしれない。.
第二次世界大戦 までは、純文学と大衆小説は、比較的はっきり区分されていた。しかし、第二次世界大戦後は、 中間小説 と言われる、純文学の体裁に大衆小説の娯楽性を大幅に導入した小説が生まれた。 現在 [ いつ? 私、坂上泉はというと年、平成最後となる松本清張賞でデビューした身で、長編は二作、短編も二作という新参者ではあるが、長編二作目となる 『 インビジブル 』 (文藝春秋、年)では、昭和24年から29年の5年間だけ、旧警察法の下で実在した大阪市警視庁という自治体警察を舞台にした。戦後復興から高度経済成長に向かう大阪という土地に潜んでいた熱気を、4年とは言え平成最末期の大阪に住んだ身として描いてみたいという思いを込めてみた。また大阪という土地で昭和戦後を描く機会があるときは、大阪にとっての戦後の絶頂期ともいえる年大阪万博について是非とも描いてみたい。五輪と万博、この国の昭和と令和にまたがるキーワードに、同時代人としてきちんとどこかで向き合いたいと思うのだが、しかしいかんせん、今抱えている原稿がなかなか進んでいない。この悩みばかりは古今東西変わることはないようだ。.
BL TL .
『ガラスのうさぎ』少女の過酷な戦争体験を綴ったノンフィクション
Contents move to sidebar hide. 戦後史を物語として描く上で欠かすことができない存在が前述の左翼学生運動、そしてその対極の公安警察だ。左翼運動わけても学生運動の台頭を、敗戦国日本の治安機関がいかにして取り締まるかと迫られた結果、戦前来の特高警察の流れをくむ彼ら公安がいかなる手段に打って出たかは今もって謎が多い。そんな公安警察に焦点を当てた作品としては、佐々木譲 『 警官の血 』 (新潮社、年)の第二部がそれにあたる。ある警官一家の初代は敗戦直後のある火事の晩に不審な死を遂げ、その息子が公安警察として学生運動家たちに潜入する過程で心を蝕まれていくさまは、彼とその息子の世代にまで引き継がれることとなる。一方、月村了衛 『 東京輪舞 』 (小学館、年)は、田中角栄の警備をしていた警官が公安畑を歩む中で、ロッキード事件や東芝ココム事件など昭和から平成にかけての公安警備事件の深淵を覗く話だ。. ロマン主義のうち、短歌では 与謝野鉄幹 が「 明星 」を創刊、 与謝野晶子 は『 みだれ髪 』( 年 (明治34年))を発表した。この一派であった 石川啄木 、 窪田空穂 も活躍を見せたが、特に啄木は 自然主義 に転じ『 一握の砂 』( 年 (明治43年))と『 悲しき玩具 』( 年 (明治45年))を刊行した。また啄木同様に 自然主義 の影響下に、 若山牧水 の『別離』( 年 (明治43年))や 土岐哀果 の『NAKIWARAI』( 年 (明治43年))なども生まれた。 竹柏会 を主催した 佐佐木信綱 は、「 心の花 」を創刊。 正岡子規 は『 歌よみに与ふる書 』( 年 (明治31年))を発表し 根岸短歌会 を開き、 伊藤左千夫 、 長塚節 らが参加した。 北原白秋 、 吉井勇 らは パンの会 を起こし、 耽美派 に繋がる歌を読んだ。.
日本 の 近代文学 は、 坪内逍遥 の『 小説神髄 』( 年 (明治18年))によって実質的に出発し、 二葉亭四迷 は『 小説総論 』( 年 (明治19年))を書いた。前者をもとに逍遥は『 当世書生気質 』( 年 (明治18年))を書いたが、戯作の風情を多分に残していた。それらを克服して 年 (明治20年)に発表された四迷の『 浮雲 』は、日本の 近代小説 の嚆矢(こうし)とされる。.
Contents move to sidebar hide. 20 ! 4 49 - 57 5 35 - 55 50 - 59 48 52 50 51 53 48 - 56 58 59! 10 10 村雨丸 刀剣乱舞 19 11 17.
また、 日本 に在住する 朝鮮語 を 母語 とする人たちが 日本語 で創作する 在日朝鮮人文学 の流れが生まれた。 金達寿 が先駆的な存在であり、その後 金石範 、 李恢成 と続いた。. 新感覚派の流れを受け継ぎ、 新興芸術派倶楽部 の解体後に優れた業績を残したのが 堀辰雄 と 伊藤整 の 新心理主義 である。 ジョイス や プルースト の 心理主義 の影響を受け 精神分析 や深層心理の芸術表現を試みた。なお、この時代には 小林秀雄 が『 様々なる意匠 』( 年 (昭和4年))で登場し、 近代批評 のスタイルを確立した。. ドイツから帰国した森鴎外は翻訳詩集『 於母影 』( 年 (明治22年))を、北村透谷は『 楚囚之詩 』( 年 (明治22年))、『蓬莱曲』( 年 (明治24年))を出版した。透谷の「 文學界 」に参加していた藤村は『 若菜集 』( 年 (明治30年))を、藤村と並称された 土井晩翠 は、『 天地有情 』( 年 (明治32年))を刊行。これら ロマン主義 的な詩は 浪漫詩 と呼ばれる。「 文庫 」では 河井醉茗 、 横瀬夜雨 、 ロックオンストラトス 死亡 何話 が活動した。.
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MARUZEN. 42 43 13 .
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Kaneもう一つのモダニズム文学の流れは 新興芸術派 と呼ばれる小説家たちであるが、むしろその傍流にあった人々から個性的な世界を樹立する作家が現れた。私小説の伝統を受け継いだ『 檸檬 』( 年 (大正14年))の 梶井基次郎 と、頭ばかりが肥大化した知識人を戯画化した『 山椒魚 』( 年 (昭和4年))の 井伏鱒二 がその代表である。.11.11.2022 04:13

